今号では、令和8年度税制改正で措置された「現金取引等における輸出免税要件の見直し」について、改正の背景や概要を取り上げています。
消費税は、社会保障給付や少子化対策に要する経費に充てることとされている貴重な安定財源です。一方、その仕組み上、輸出免税に伴う還付制度を悪用した不正還付のリスクを抱えていることも事実です。本来還付されるべきでない消費税を不正に受け取る行為は、いわば貴重な国庫金を詐取する行為であり、適正に申告・納税している事業者との公平を確保する観点からも、厳正に対処していく必要があります。
今回の改正では、現金取引など、輸出代金が取引相手から支払われたことを客観的に確認しにくい一定の取引について、従来の輸出許可書等に加え、仕向国における輸入許可書に相当する書類の保存を輸出免税の要件とする見直しが行われました。事務所だよりでは、制度の概要だけでなく、なぜ輸入国側の書類を求めることが不正還付の防止につながるのか、私自身が国税の現場で不正還付事案に接してきた経験も交えながら解説しています。
また、今号では、政府が方針を示した「飲食料品の消費税率1%への引下げ」について、家計への影響だけでなく、レジや会計システムへの対応、店内飲食と持ち帰りの税率差など、事業者側の実務上の課題も取り上げています。
そのほか、「バットマンの一言」では、令和9年度予算編成・税制改正に向けた動きについて、霞が関勤務時代の経験も交えながら書いています。
税務・会計に直接携わる方だけでなく、経営者の皆様にもお読みいただければ幸いです。
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